A Fickle Child Psychiatrist

ー移り気な児童精神科医のBlogー

スペクトラムとグレーゾーン

本当はこの記事のタイトルはカテゴリーとディメンジョンにしたかったのですが、純粋にアクセス数を稼ぐために、上記のタイトルとなってしまいました。先に謝っておきます、ごめんなさい。 それはさておき、昨日ここから始まる連続ツイートをさせていただいた…

神経発達障害としての冷淡さと非情緒性 〜 Callous unemotional traits をどう考えるか〜

この年末になって、今年一度もブログに記事を投稿していないことに気づいて、慌てて記事を書いています。年末年始に読んでいただくにはあまりふさわしくない内容になってしまいましたが、ご容赦いただければと思います。よい気分のまま新年を迎えたい方には…

自閉スペクトラム症と統合失調症スペクトラム障害

ツイッターに下記の二つのツイートをしたところ思った以上の反響がありました。 このツイートにこんなに反響があるのはちょっと驚き。案外関心のある方が多いんですね。せっかくなので先日の精神神経学会でお話ししたときのシェーマを。自作のものですが、大…

子どものADHDと大人の「ADHD」 —ダニーディンのコホート研究から—

なかなか衝撃的……なはずなんだけど、あまり違和感のない論文。大人のADHDの大半は子どもの頃ADHDではなかった、と。続報待ち、だがたぶんそうなんじゃないかな。Dunedin のコホート研究から。AJP。 / “Is Adult …” http://t.co/v6Js6KZ4vC— afcp (@afcp_01) …

心理職国家資格化 法案提出への動き

最近の動向 久々に心理職の国家資格化の件について大きな動きがありました。また国会への上程が視野に入るような状況になってきているようです。今回(?)の動きについて、ごくごく簡単にかいつまんで並べてみます。 平成23年10月2日 3団体(臨床心理職国家…

児童虐待による社会的損失 —日本での試算—

子どもへの虐待によってどのくらいの社会的な損失があるのかということは、その対策にどの程度のコストをかけるべきかという政策的決断に不可欠なデータの一つです。自分の知る限り、日本にはこれを直接扱った研究がなかったのですが、平成25年12月7日付けの…

Book Review 『明日からできる大人のADHD診療』

奈良市にある「きょう こころのクリニック」の院長、姜昌勲先生から、新患刊をご恵送いただきました。どうもありがとうございました。現在はまだ予約注文しかできないようですが、近日中に発送が始まりそうです。 明日からできる大人のADHD診療 作者: 姜昌勲…

DSM-5 での注意欠如多動性障害(ADHD)の取り扱い

DSM-5関連記事の第3弾です。今回は注意欠如多動性障害(ADHD)を取り上げてみたいと思います。以前草稿の段階で,下の様な記事を書きました。 DSM-5 DRAFTでの注意欠陥多動性障害の取り扱い 公開された版でどのようになっているか、確認してみました。

WHODAS 2.0 ーDSM-5における「V軸」の扱いの着地点ー

DSM-5 公開版に基づく記事の第2弾です。ひょっとするとADHDなどを取り上げることを期待しておられた方がいるかもしれませんが、それはきっと誰かが書いてくれそうなので、先になかなか誰も触れてくれなさそうな部分をご紹介します。 以前、このブログで DSM-…

DSM-5 「自閉症スペクトラム障害」雑感

かねてから予告されていたスケジュール通り、アメリカ精神医学会によりまとめられた DSM-5 が公表されました。本屋さんの触れ込み通りなら、日本では世界に先駆けて、書籍版が発売されています。これはちょうど今日から 第109回日本精神神経学会学術総会 が…

日本におけるペアレントメンター事業 その後の展開

旧ブログに 日本におけるペアレントメンター事業の展開 という記事があるのですが、おかげさまで最近でもかなりアクセスしていただいているようです。この記事は2010年7月に書いたもので、ちょっと古くなってきていますので、最近の動きについて少しまとめて…

アスペルガー症候群をもつ被告人による実姉刺殺事件についての大阪地裁判決

2011年7月に、自宅を訪ねてきた実姉を刺殺したとして、殺人罪に問われていた被告人に対して、2012年7月30日、大阪地裁の裁判員裁判で、検察側の求刑懲役16年に対して懲役20年の判決が言い渡されました。被告人は大阪地検での精神鑑定により、アスペルガー症…

テーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)を用いた自閉症スペクトラム障害児童への支援

日本コミュニケーション障害学会の学術誌、『コミュニケーション障害学』の2012年4月号に、高機能自閉症スペクトラム障害の子ども達を対象とした、テーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)を用いたコミュニケーション支援の、事例研究が掲載されていま…

Book Review 『他人(ひと)とうまくいかないのは、発達障害だから?~どうしたらいいの?に効く行動のヒント』

奈良市にある「きょう こころのクリニック」の院長、姜昌勲先生から、新しいご著書を送っていただきました。どうもありがとうございました。 『他人(ひと)とうまくいかないのは、発達障害だから?~どうしたらいいの?に効く行動のヒント』

平成25年度 子どもの心の診療医 研修病院リンク集情報追加

当ブログでは以前より、子どもの心の診療に携わる医師の研修のためのプログラムなどを用意している医療機関の研修医、レジデントの募集情報をまとめて、ご紹介しています。下記のリンク集をご覧下さい。 平成25年度 子どもの心の診療医 研修病院リンク集 平…

DSM-5における「V軸」の扱いー国際生活機能分類(ICF)への接近?ー

2013年5月の刊行を目指して、アメリカ精神医学会により精神疾患の診断、統計のためのマニュアルである DSM-5 の開発作業が進められています。この中で機能評価に関わる部分も大きな改訂が行われるようです。

アメリカにおける自閉症スペクトラム障害を持つ学童の実態調査

非常に興味深いレポートが、アメリカのCDC(疾病予防管理センター)から公開されていました。 特別なヘルスケアニードを持つ学齢期の自閉症スペクトラム障害児童の診断歴と治療 Diagnostic History and Treatment of School-aged Children with Autism Spect…

「子どもの精神科」が増えない理由 あれこれ

lessorの日記 「子どもの精神科」が増えない理由 lessorさんの記事。児童精神科医ではない方にここまで理解していただけるとありがたいです。きょう先生も書籍に書かれた甲斐があったのではないかと思います。実際自分の勤務している医療機関でも、成人精神…

アメリカにおける自閉症スペクトラム障害の子どもの進路調査

アメリカで特別支援教育を受けた自閉症スペクトラム障害の若者の、中等教育修了後(高校卒業後)の進路などについての調査研究が発表されています。 Postsecondary Education and Employment Among Youth With an Autism Spectrum Disorder Pediatrics. 2012…

DSM-5における反応性愛着障害の扱い

2013年5月の刊行を目指して、アメリカ精神医学会によりDSM-5の開発作業が進められています。その中で、DSM-IV-TRで反応性愛着障害(Reactive Attachment Disorder of Infancy or Early Childhood)として取り上げられていた障害の扱いが、大きく変わっていま…

新しいブログを始めました。

旧ブログ A Forward-looking Child Psychiatrist の更新を終了して、こちらで新しいブログを始めることにしました。 お引っ越しすることになったのは、旧ブログの作成に使っていた iBlog 1.4 が Mac OS 10.7 で動かなくなったこと、コメントとトラックバック…