A Fickle Child Psychiatrist

ー移り気な児童精神科医のBlogー

2013-01-01から1年間の記事一覧

児童虐待による社会的損失 —日本での試算—

子どもへの虐待によってどのくらいの社会的な損失があるのかということは、その対策にどの程度のコストをかけるべきかという政策的決断に不可欠なデータの一つです。自分の知る限り、日本にはこれを直接扱った研究がなかったのですが、平成25年12月7日付けの…

Book Review 『明日からできる大人のADHD診療』

奈良市にある「きょう こころのクリニック」の院長、姜昌勲先生から、新患刊をご恵送いただきました。どうもありがとうございました。現在はまだ予約注文しかできないようですが、近日中に発送が始まりそうです。 明日からできる大人のADHD診療 作者: 姜昌勲…

DSM-5 での注意欠如多動性障害(ADHD)の取り扱い

DSM-5関連記事の第3弾です。今回は注意欠如多動性障害(ADHD)を取り上げてみたいと思います。以前草稿の段階で,下の様な記事を書きました。 DSM-5 DRAFTでの注意欠陥多動性障害の取り扱い 公開された版でどのようになっているか、確認してみました。

WHODAS 2.0 ーDSM-5における「V軸」の扱いの着地点ー

DSM-5 公開版に基づく記事の第2弾です。ひょっとするとADHDなどを取り上げることを期待しておられた方がいるかもしれませんが、それはきっと誰かが書いてくれそうなので、先になかなか誰も触れてくれなさそうな部分をご紹介します。 以前、このブログで DSM-…

DSM-5 「自閉症スペクトラム障害」雑感

かねてから予告されていたスケジュール通り、アメリカ精神医学会によりまとめられた DSM-5 が公表されました。本屋さんの触れ込み通りなら、日本では世界に先駆けて、書籍版が発売されています。これはちょうど今日から 第109回日本精神神経学会学術総会 が…

日本におけるペアレントメンター事業 その後の展開

旧ブログに 日本におけるペアレントメンター事業の展開 という記事があるのですが、おかげさまで最近でもかなりアクセスしていただいているようです。この記事は2010年7月に書いたもので、ちょっと古くなってきていますので、最近の動きについて少しまとめて…